Webデザイントレンド in Osaka 2022 が今週末に迫りました。 5月28日土曜日です。場所は大阪本町の中央会計さんのセミナールームです。 もし大阪もしくはその周辺にお住まいでしたら間違いなく必見と言える会を目指して出演者一同コンテンツを作りこんでいるところです。 現在絶賛参加者募集中です。今回は少人数にて濃い内容でお届けします。
見どころについては、前回のエントリーに書きましたが、今回は個人的な見どころについて書きます。
各出演陣によるコラムも人気のあるコーナーです
Webデザイントレンドでは、ずいぶん昔から出演者ごとに5分くらいの時間のコラムコーナーを設けてセッションの合間にお届けしています。「原の目」「矢野の目」「坂本の目」「深沢の目」というコーナー名です。
このコラムコーナー、キャプチャが並ぶばかりで単調な展開になりがちな本セッションにちょっとしたアクセントを与えてくれる役割があり、長時間となりがちなWebデザイントレンドセッションを飽きさせず聞けるのは、このコーナーによるところも大きいと思っています。また、長時間におよぶセッションの合間に他の出演者が少し息を整える役割もあるなあと出演する側として感じています。箸休め的に気軽に聞けるタイプのコラムがある一方、アンケートでコラムが刺さったなどのコメントをいただくこともあります。
原の目は割と箸休め的に聞けるタイプのコラムが多くて、今回も多分に漏れずそのたぐいとなります。
内容は、いろいろなWebサイトで観ることができる細かなディテールやバリエーションについて取り上げることが多く、「だいたい同じ」とみなされるいろいろなバリエーションの中にこそ、人々の工夫が宿っていると個人的には考えており、ともすれば見過ごされがちな部分にフォーカスしていきたいという想いがあります。
Shift15の「原の目」では、「マーキー今昔物語」というお話をしました
昨年度末の「原の目」では、「マーキー今昔物語」と題して何回目かのブームがきているのではと個人的に感じているマーキーについてとりあげました。
ちなみに、大阪版でもマーキーの話のその後についてお話する予定ですので、その前振りとして読んでください(そしてぜひ大阪版でお会いしましょう)
ということで、「原の目」はじまりはじまり。
海外サイトを観ていて、それも1000や2000ではない数を一気に見ていくとどうしても「この表現は見なくなった」とか「この表現は増えた」という現象にあたります。
なるべくバイアスがかからないようにして観ているつもりですが、10年という単位で毎年リサーチをしているとどうしても流行り廃れは感じ取れてしまいます。
2020年の流行りの一つといえるのはマーキーでした。マーキーが本当の意味で流行ったのは90年代のWebでしたが、今使われているマーキーは表現こそ似ているものの、ちょっと使われ方は異なるように思えました。
ということで、そもそもマーキーとは何だったんだろうというところから「原の目」は始まります。今どきのマーキーはHTMLタグを利用したものではありませんが、昔は marquee 要素を用いていたり、Javaアプレットだったりしました。
当時の Marquee を色濃く残すサイトとして一つ 例 を挙げました。原始の Marquee はこんな感じだったのです。
そこで当時の資料を振り返ってみます。Special Edition Using HTML 2nd Edition という書籍です。Internet Explorer 2.0に追加された経緯が記された一文を引用しました。
意訳としては上記のような感じです。HotJavaと競合とか、スクロールマーキーの表示とかが記されています。Webページ上で要素が動くということは当時はそれだけで画期的だったのです。
時は経て2021年。今回改めてマーキーの仕様まわりをざっと確認してみました。今はそれぞれ必要に応じ、個別の実装になっている状態です。そこで、よくあるタイプの使われ方を3種類ほどピックアップして紹介しました。以下、リンクで紹介します。
- ロゴがスクロールするタイプ
- メッセージが左右からスクロールするオシャレ目な使い方のもの
- スクロール連動型のもの
最後にまとめです。マーキーを使ったデザインはもう出きったかというと決してそんなことはなく、まだまだ工夫が観られそうな予感を残しながらの2021年終了という印象が残っています。そして、この続きは Webデザイントレンド in Osaka 2022 に向けて話したいと思います。
ご参加は以下のイベントページより。詳細情報の確認、お申し込みができます。 初めてのご参加も大歓迎です。出演者一同心よりお待ちしています!
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。