Nreal社が出しているMRグラス「Nreal Light」を試そうと思って、Dev Kitと呼ばれる開発用のコンピューターユニットとセットで買ったのが2021年8月。
Nreal Lightは、グラス単体では動作せず、対応しているスマートフォンかDev Kitに接続して使う必要があるタイプのデバイス。
Dev Kitは画面なしの素のAndroidデバイスで、Google Play Storeすら入っていません。
つまり、Scrcpyのようなリモート接続アプリケーションでAndroid画面を表示して設定などを行う比較的ハードル高めのデバイスで、画面に表示してみないとどういう状態なのかぱっと見わからないのです。
さて、本当に開発目的で使うならいいのですが、ユーザーに近い形でNreal Lightを体験しようと思ったらスマートフォンが必要になります。
ちなみに、Dev Kitとスマートフォンでは、操作が違ってて、Dev Kitは専用のコントローラーリモコンがついていますが、対応スマートフォンでの操作はスマートフォンのスクリーンをリモコン代わりにします。
しばらくは開発目的でDev Kitを使っていましたが、次第にのめりこみ、Nreal Lightをスマートフォンと接続したくなりました。Xperiaはもともと使っていたので、対応スマートフォンとしてXperia 5 IIIが掲載されていたことから最新のXperiaにすることでNreal Light向けにも使おうと考えていたのですが、購入前に懸念事項がありました。対応スマートフォンにはXperia 5 IIIと記載があったものの、よく見るとXperia 5 III (KDDI)という表記だったのです。
同じXperia 5 IIIだったら動くだろうということでエイヤっと購入したのですが、案の定、Nreal Lightとスマートフォンを接続するアプリケーションであるNebulaが動作しませんでした。
そこで僕は意気消沈し、Xperia 5 IIIは机の隅っこに置かれるだけのスマートフォンになりました。
時間はある程度経って、今年の2月。Docomoは、Nreal Airの取り扱いを開始し、予約受付が始まります。当然Nreal Airの対応端末にはXperia 5 IIIも含まれています。Docomo版においてもNebulaをインストールして使うことが想定されていたため、ひょっとしたらNreal LightでもNebulaが動くかもしれないと思い、試すことにしました。
Google Play StoreでNebulaを検索すると、2つアプリケーションがあることが確認でき、古いバージョンと新しいバージョンがあります。
古いバージョンでは未対応となって起動できないのですが、最新版ではNebulaをインストールして起動することが出来ました。もしかしたらと思ってNreal Lightも繋げられるのではということで繋げてみると、見事Nebulaは起動し、Nreal Lightで各種コンテンツの閲覧がなどが出来ました。
ただ、公式サイトにおいては対応と書かれていないので、もし試される方は自己責任にてお願いします。
Nreal Lightをスマートフォン経由で利用すると、一般ユーザーと同じ体験ができる他にも、開発したアプリケーションのインストールの手間が少なかったり、起動が早かったりします。
ということで、ますますNreal Lightが手放せなくなった今日この頃です。
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。