(今回はオンラインセミナーに焦点を絞って振り返りをしていきます)
2020年がまさかこんな年になるとは思いませんでした。
3月
2019年12月のShiftが終わり、翌年は青森版、大阪版が続いていき、いつものようにあわただしく確定申告へ進み、新年度を迎えるものだと思っていました。しかし、世の中はそのようには進まず、3月1日にオフラインにて開催予定であった大阪版は中止となり、動画配信版として開催することになったのでした。
動画配信版は、少人数のスタッフの皆様と大阪で収録が行われたのですが、まったくの無観客というわけではなく、ありがたいことにスタッフの皆様が話しやすいように聞き役になっていただけたおかげで、無事乗り切ることが出来ました。とはいっても、かなりやりにくい感じであったことを覚えています。
この時点で、現在のように新コロナの影響が長引くとは思っておらず、2020年が終わる頃には終息に向かっていくと感じていました。
それからはあれよあれよという間に、現在お世話になっているお客様の会社も出勤不可能な状態になり、自宅にて仕事をする日々に突入していきました。
7月
7月に入ると、2020年1月に開催されたLP66「デザイントレンド」フォローアップ公開を記念して感想戦という形でオンライン配信によるセッションが行われました。今にして思えば、このセッションを完全オンラインにて自宅収録という形で行ったのは非常に重要な経験だったと思います。
オンラインでセッションをするというのは、僕は実は初めての経験ではありません。というのも2000年代半ば、動画共有サイトの構築や、生配信とその司会、PIPコンテンツの制作からビデオカメラのレビューまで、そこそこ動画関連の仕事を頑張っており、動画を使った配信はわずかばかりの経験がありました。ただ、動画関係には疲れてしまったので、そのあとはまったく動画を仕事にしないどころか避け続けてきていたのでした。
7月の時点でも早いところ新コロナな時代が過ぎ去って、リアル万歳な世界が来てくれないかなと思っていました。そうこうしているうちに、周囲の人たちはマイクや配信機材などを揃えていき、新しい世界へ進んでいきました。
以前動画にかかわっていたときは、YouTubeはありましたが、Zoomみたいなものはなく、もうひと世代前のUstreamやStickam!を使うくらいなので、今時のライブ配信についてはまったくの素人です。それでも会議などでZoomをはじめ、Teamsなどいろいろ使っていくうちに、大きな動画配信の流れに巻き込まれていくことになってしまいました。
この流れを僕の中で決定づけたのは、Era Web Architectsプロジェクトへの参加です。僕はこのプロジェクトに、Webサイト制作というポジションで関わっているのですが、撮影モデルとしても参加しており、ベテランのカメラマン坂本貴光さんによりポートレート撮影もしていただくことになりました。
そのプロジェクト内でZoomによるインタビュー企画があり、きっと新コロナ時代でなければ普通に対面でのインタビューが実現したはずですが、オンラインによるライブ配信によるインタビューとなったのでした。このあたりで、動画配信からはもう逃げられない時代かもなあと思い始めます。
12月
僕が今年から動画配信をちゃんと取り組んでいこうと思った極めつけの出来事は、CSS Nite Shift14「ウェブデザイン、行く年来る年」の完全オンライン開催でした。
もともとはオンラインとオフライン併用のイベントでしたが、12月半ばともなると、もうオフラインのイベントを開催するのは相当厳しいものがあると感じていました。個人的には11月半ばの時点で登壇者もオンラインオンリーでZoomによる登壇という決断にきっとなるであろうと推測していたので、それならいっそのこと動画配信にしっかりと向き合って、環境を構築していこうとようやく思ったのでした。
とはいっても、僕が動画配信をやっていたのはIEEE 1394という端子でビデオカメラとPCをつなぐ時代だったので、今のことはまったくもってわかりません。きっとぼんやりとでも追いかけていればわかっていたのでしょうが、僕は関わらないように生きていたので、まったく情報を持っていませんでした。Facebookなどで詳しいお友達にいろいろ教えていただき、なんとか今時の配信構成について勉強することが出来ました。いろいろ教えていただいた皆さんには感謝しています。
結局、CSS Nite Shift14は、登壇者のみオフラインという形で開催されたのですが、このイベントはこの1年悪戦苦闘していたことの総決算になった気がします。
配信機材の練習も兼ねて、YouTubeチャンネルの開設を達成することもできました。チャンネル名は「Webデザイントレンドのよりみち」です。Webデザイントレンドのリサーチの過程で見つけた様々なことをどうでもいいようなことも含めて流していこうと思っています。読者の皆様、チャンネル登録のほどよろしくお願いいたします。
来年は、動画配信を中心に新しいオンライン活動について自分なりの道を探っていこうと思います。
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。