Kindle Unlimited というサービスがあります。
月額980円で雑誌や書籍やコミックなどが読み放題なサービスです。Amazon Prime を契約している人なら Prime Reading という限定的な読み放題サービスがあるのでそちらを使っている人もいるかもしれません。
学生の頃、星新一にハマっていたことがあります。きっかけは、小学校の頃に読んだ ボッコちゃん です。「おーい でてこーい」は小学生にも読めるやさしい内容でした。ショートショートというのも集中ができない自分にあっていた気がします。大学時代ブックオフにてたまたま見かけて読み返したら一気にハマって、文庫版で出ていた星新一の書籍はほぼほぼコンプリートするほど買いまくりました。
さて、時代は移って現代。久しぶりに Kindle Unlimited にて星新一を検索してみると数点読み放題サービスにて見ることができる書籍があります。先述の「ボッコちゃん」はありませんでした。
「気まぐれ指数」は長編で、星新一としては異色な作品だし、「殿さまの日」も時代小説で短編ではあるけどショートショートではない感じ。「白い服の男」もショートショートというよりは短編ですが、この3つの中では一番星新一らしい書籍かもしれません。個人的には「殿さまの日」はいろいろな星新一を読みまくった後で読むといろいろと味があるように思えました。
ちなみに星新一の作品で一番好きなのは「声の網」という長編です。ただし、長編とはいっても12個の短編が集まって一つの大きな物語を形成するような星新一の持ち味が活かされた長編となっています。この「声の網」は、パソコンすらまだないような (マニアックなものはあったかもしれませんが) 時代に書かれた小説ですが、電話回線を使って情報を得たりコミュニケーションしたりするようなインターネット時代を予感させる作品で、もしインターネットに関係する仕事をしていて読んだことがなければぜひ一読をオススメする作品です。残念ながら、Kindle Unlimited にはありません。でもお金を出して買う価値はあると思っています。
他にも昔読んでいた作家の名前で検索すると掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。