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iPadOS で ThinkPad キーボードのトラックポイントも使えるようになったのか

2019-06-26

iPadOS のパブリックベータが 6月24日に開始されました。
導入するには以下のページより[登録]を選択して進めていきます。

気になっていたことの一つは、マウスはどの程度使えるのかという点です。以前より iPadOS ではマウスのサポートがアナウンスされていたので、早速使ってみることにしました。もちろん、正式版ではどうなるかはわからないと前置きはさせていただきますが。

単にマウスを使うのではつまらないので、愛用している ThinkPad Bluetooth キーボードを使ってみました。もし使えたら、今までちょっとしたことで画面を触らないといけなかった部分が改善されそうです。

iPadOS でマウスはそのままでは使えないので、設定を変更することからはじめます。他のサイトでも解説などはされていますが、ここでも一応流れを書いてみます。

まず、ホーム画面より [設定] を開き、[アクセシビリティ]を選びます。

設定画面

続いて、[タッチ] を選択し [Assistive Touch] をオンにしてください。

設定画面よりタッチを選択した画面

あとは、普通に ThinkPad Bluetooth キーボードを接続するだけで、丸いマウスカーソルが画面に表示されます。2センチほどの大きさで、PC と比べると独特な形状です。(普通にスクリーンショットを撮っただけだとマウスカーソルは消えてしまいますね…。)

カーソル移動の分解能は低いため、PCに比べるとカクつきます。ただ、動作自体はスムーズなので、使用時のストレスはあまりありません。

操作ですが、ThinkPad のトラックポインタの場合は、左ボタンでタップになります。そして、真ん中ボタンを押しながらトラックポインタを動かすとホームへ移動できます。右ボタンは Assistive Touch の最上位メニューが表示される挙動となります。

最上位メニューを表示したところ

これで、iPad でキーボードを使いながらの作業の際に、ホームポジションから手を離さなくて済むようになりました。Split View と合わせてより便利になった気がします。

PC と機能的に近づいたなっただけ?

マウスが使えるようになったというと PC に揺り戻されただけなのではという見方もあると思います。僕はそうではないと思っています。macOS は、長いこと進化をしてきて PC の OS 形態としてはピークな状態に至ったと思っていますが、しかしまだ別の進化の可能性というのも Apple は見えており iOS のヒットを機にもう一度 PC をデザインし直してみようと思ったのではないかと思っています。

今後、ウインドウベースの既存 OS ではない PC でのワークスタイルのありかたを iPad は見せてくれるような気がします。


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    原 一浩 の顔写真

    (はら) 一浩(かずひろ)

    カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表

    1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
    雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー

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