Microsoft より macOS 版の Edge のプレビュービルド が出ています。
今回はその紹介をするのですが、その前に Microsoft と Mac 用のブラウザの関係について振り返ってみます。
Microsoft が Mac 用のブラウザを出していたのは、Internet Explorer 5.2.3 が最後だったはずなので、実に 16年も前の話です。こちらは、当時のリリースです。ただし、5.2.3 ではなく、5.2 のリリースです。
なかなか当時のサイトもなく、Mac 用サイトも閉鎖されてしまったので、資料としてはこれくらいですね。Mac 版の Internet Explorer は、当時 iMac などで流行していたトライスルーセントやアクア、ボンダイブルーといったデザインテクスチャを採用しており、ポップなユーザーインターフェースとなっていました。
興味深いのは、当時のブラウザの System Requirements です。
- Processor: Macintosh Power PC
- Operating system: Mac OS X version 10.1 or later (for Quartz text smoothing to work, users need version > 10.1.5 or higher)
- Memory: 128 MB of RAM
- Hard disk: 19.8 MB available
- Programs: Apple QuickTime version 5.0.2 or later
- Modem: 9600bps modem (28.8 Kbps or faster recommended)
- Internet access: Internet connection through either an Internet service provider (ISP) or a network. > Internet access may require a fee to an ISP; local or long-distance telephone charges may also apply.
特に Modem: 9600bps modem (28.8 Kbps or faster recommended) は、当時らしさを物語っています。まだ電話回線にて接続しているという人も多く、接続スピードも低速でした。いつの間にか現状の回線速度の高速さに慣れてしまっていますが、たまには当時を省みてみましょう。そのうち 5G の時代が来れば、今の時代ですら回顧対象になることでしょう。
さて、macOS 版の Microsoft Edge ですが、そもそも、iOS 向けには既に出ていたので Mac 版もあったような気になっていたのですが、今回ようやく出たのですね。まだ正式リリースではないので、Canary Cannel からダウンロードすることになります。
OSX よりサイトにアクセスすると、こんなトップページが表示されます。Download Canary Cannel を押してダウンロードしましょう。
ダウンロード時は、Microsoft Software License Terms の Accept が表示されます。
インストール後、アイコンはこんな感じ。なんというか、正式版じゃない感じが出てます。
ブラウザを起動すると、データのインポート設定とかホーム画面の設定とかが行えます。ただ、設定前から Chrome のブックマークツールバーとかがそのままインポートされてビックリしました。
ホーム画面はこんな感じ。スッキリしています。
昔、Mac 版の Internet Explorer が出ていた時は、閲覧環境の検証対象として Mac 版でも確認を行なっていたのですが、今後は Microsoft Edge の macOS 版も対象になっていくことでしょう。幸い Chromium ベースであるため、独自の問題は起きにくいとは思いますが、今後動きがあれば紹介していきます。
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。