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六古窯 ―〈和〉のやきもの展に行ってきました

2019-05-17

出光美術館 で行われている「六古窯 ―〈和〉のやきもの」展に行ってきました。

出光美術館のサイト

東京駅近辺で用事があったのですが、用事の後に時間が出来てしまったので、Google Map 上から見つけて参加。こんなところに美術館があったのかという場所です。帝劇ビルの 9 階。1階から直通で行ける専用のエレベーターがあり、特別な雰囲気があります。

今回の展示内容に限らず、出光美術館はおすすめなスポットで、東京駅間近というロケーションを忘れさせる空間が広がっています。1フロアが丸ごと美術館となっており、外から見た狭さよりははるかに広い空間となっています。ミュージアムショップあり、皇居を眺めつつお茶を飲めるスペースありで、ほっこりします。

それで、今回は「六古窯 ―〈和〉のやきもの展」です。

ちなみに僕はやきものについては素人です。
素人ではありますが、今回の六古窯というのは、瀬戸、常滑、越前、信楽、丹波、備前を指し、いずれも聞いたことがあるものばかりです。自治体 Web デザイントレンドリサーチなんてやっているものだから、それぞれの名前につき、サイトが浮かんでしまったりします。

さて、今回の展示は、平安時代後期から鎌倉・室町時代がメインとなっており、また日本に影響を与えた同時代の中国のやきものも展示されています。内容は以下。

  • 第1章 中世陶器の系譜 ―瓷器系・須恵器系・土師器系
  • 第2章 六古窯と中世諸窯
  • 第3章 中世陶器の系譜から発展した茶陶
  • 第4章 中世の人々が好んだ唐物
  • 第5章 後世の眼が見た中世のやきもの

個人的に感じた雑感で恐縮なのですが、中国のやきものについては展示しないほうがよかったのではないかと思いました。当時の日本のやきものと、中国のそれと比較する形になってしまったことで、圧倒的な中国の先進性が浮き彫りになってしまい、もっと素朴な感覚でやきものの味に触れていたいという気持ちが分断されてしまいました。

それはそれとして、六古窯のやきものは、近くで見るとそれぞれ個性があり、個人的には温かみのある発色と荒々しいテクスチャを併せ持っている信楽窯のやきものがいいなあと思いつつ眺めていました。また、茶入について数展展示があり、こんな小さなやきものが戦国時代はものすごい価値を放っていたのかという点も興味深いです。

今回、中世のやきものを眺めていて感じたのは、やきものが芸術として見なされていく一歩手前の、生活に根ざした素朴な美しさを持っていた時代ならではの存在感です。技巧とか道とかそういうものが競い合う時代になるとこういった美しさは失われてしまうのでしょう。


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    原 一浩 の顔写真

    (はら) 一浩(かずひろ)

    カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表

    1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
    雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー

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