Rust の学習目的の一つに、Servo が Rust で書かれているからというのがモチベーションとしてあります。そのあたりは以前書いたとおりです。
Servo は Mozilla が開発しているブラウザのレンダリングエンジンであるというのは知っていましたが、逆に言うと、それ以上の情報は特に知らないのです。 ということで、今回は Servo を触ってみることにしました。
公式サイトは以下で、
GitHub 上のリポジトリは以下になります。
公式サイトには、Servo の nightly ビルドされたバイナリをダウンロードすることが可能であったり、ビルド方法が掲載されていたりします。
また、日本語サイトもあり (フッターのリンクより移動できます) こちらにて概要を見ることもできます
この先どうなっていくかについては、ロードマップ を見るのが良いです。
それによると、
- Firefox のコンポーネントを Rust で書かれている Servo に置き換え
- スタンドアロンの Servo ブラウザや組み込み用の販売機会の決定
が長期計画としてあるとのことですが、興味深い点として、Mixed Reality についても視野に入れており、Servo をネイティブに実行できる VR / AR プラットフォームの拡張や Web XR についても貢献していくとのことで、このロードマップを眺める限り様々な可能性を感じられます。
では、現状の Servo ってどういう感じなのでしょうか。
Nightly Build の Servo を Mac OS に入れて試してみます。とりあえず体験してみるという点においては非常に導入が簡単で、ダウンロードページに移動して、自身のプラットフォームのビルド版をダウンロードしてインストールするのみです。Mac OS 版はディスクイメージとして提供されており、Applications フォルダにドラッグ & ドロップするのみでインストールは完了です。
ただし、起動しても本当にブラウザのウインドウが出るのみでボタンなどは表示されていないですし、メニューもありません。
GitHub にあるリポジトリには、ショートカットの説明も掲載されているので、以下のように URL を入力したりズームしたりできます (なぜか僕の環境ではズームインができなかった)
- Ctrl+L opens URL prompt (Cmd+L on Mac)
- Ctrl+R reloads current page (Cmd+R on Mac)
- Ctrl+- zooms out (Cmd+- on Mac)
- Ctrl+= zooms in (Cmd+= on Mac)
- Alt+left arrow goes backwards in the history (Cmd+left arrow on Mac)
- Alt+right arrow goes forwards in the history (Cmd+right arrow on Mac)
- Esc or Ctrl+Q exits Servo (Cmd+Q on Mac)
今後もビルドしてみたり、いろいろ探っていきたいと思います。
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原 一浩
カンソクインダストリーズ代表 / グレーティブ合同会社代表
1998年に独立し、同年、ウェブデザイン専門のメールメディア DesignWedgeの発行を開始。Webデザイン業の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信を行う。
雑誌への寄稿多数。主な著書に『はじめてのフロントエンド開発』『プロセスオブウェブデザイン』、『Play framework徹底入門』、『ウェブデザインコーディネートカタログ』など。自社製のWebデザインのクロール&キャプチャシステムvaqumをベースに、様々なリサーチを行っている。Web 検定プロジェクトメンバー。